イースト・ヴィレッジを歩いてみよう -アルファベット・シティ編-

イースト・ヴィレッジの東の端にあるアルファベット・シティ。緑豊かなこのエリアをダウンタウンの住人になりきって歩いてみよう。


こんにちは、ニューヨークナビです。おしゃれな若者やミュージシャン、アーティストなどが集まるイースト・ヴィレッジ。街並みも小さなストリートにこだわりのあるお店やカジュアルなレストランやバーが立ち並ぶ人気エリアです。イースト・ヴィレッジとは、その名の通りダウンタウンの14丁目から南の東側の一帯を指しますが、今日はその中でもさらに東の端、イーストリバーに向かってひろがる公園や美しい庭園にあふれる緑豊かなエリア、アルファベット・シティを紹介します。

アルファベット・シティとは/個性豊かなアヴェニューとコミュニティ・ガーデン


イースト・ヴィレッジとは、北は14丁目から南はイースト・ハウストンまで、ブロードウェイより東側の一帯を指しますが、アルファベット・シティとはその中でもさらに東側の、イーストリバーに向かってひろがるエリアを指します。1stアヴェニューから東のアヴェニューの名称はアヴェニューA、B、C、Dとなるため、「アルファベット」と呼ばれています。ここ10数年で急激にジェントリフィケーションが進み、おしゃれなお店やレストランが並ぶようになった一方で、いまだに多様な移民たちの歴史のおもかげが感じられる庶民的なエリアでもあります。そしてこのエリアの特徴は、なんといっても緑が豊かなこと。ランドマークになっているトンプキンス・スクエア公園という大きな公園をはじめ、コミュニティ・ガーデンといわれる住民たちによる手作りの庭園があちこちに点在しています。そんな魅力たくさんのアルファベット・シティを徹底解剖します!

アヴェニューごとに歩いてみよう


アルファベット・シティは、1stアヴェニューから東のイーストリバーに向かってひろがるエリアを指します。アヴェニューは、Aから始まり、東に向かうにつれてB、C、Dと川に向かって続きます。アヴェニューAからBにかけては、イースト・ヴィレッジらしいこだわりのある洋服や雑貨のお店、こじんまりとしたレストランやカフェ、バーなどが並びます。歩いている人たちも、流行に敏感な学生やミュージシャン、アーティスト風のおしゃれな若者たちで、ヒップなダウンタウンの雰囲気を存分に味わえます。

トンプキンズ・スクエア


アヴェニューAからBにかけては、トンプキンス・スクエアという公園があります。7thストリートから10thストリートまでのびるこの大きな公園はアルファベット・シティのランドマークともいえる存在で、まさに地元の人びとにとっての憩いの場となっています。公園はたくさんの緑にあふれ、広い敷地内には、テニスやバスケットボール用のコートや犬を放し飼いにできるドッグランなどもあります。またイースト・ヴィレッジの住人たちが読書をしたり、のんびりくつろいでいる姿を見るのも楽しいスポットです。

アヴェニューC“ロイサイダ”


トンプキンス・スクエアをこえてさらに東に進んでいくと、だんだんとスペイン語が聞こえてくるのがわかります。アヴェニューCは、別名「ロイサイダ」(ロウアー・イースト・サイドをスペイン語風に読んだもの)とも言われている、スパニッシュ系の住人の多いエリアです。アルファベット・シティは19世紀以降、ドイツ系や東ヨーロッパ系移民によってつくられてきましたが、20世紀半ば、60年代から70年代にかけてプエルトリコ系の移民たちが多く住むようになりました。アヴェニューCにはストリートに描かれた壁画や、スパニッシュ系のデリやカフェ、床屋などがずらりと立ち並び、彼らの文化を垣間見ることができます。

コミュニティ・ガーデン


このエリアを歩いていると、建物と建物の間のスペースにつくられた庭園にいくつもぶつかります。これは「コミュニティ・ガーデン」と呼ばれる地元の住民たちによる手作りの庭で、花や野菜を植えられた緑豊かな園芸空間です。これは70年代から住民たちが廃棄された空き地を庭として自らの空間につくりあげた運動で、一時はマンハッタン全体で800以上もあったといわれています。その後90年代以降の再開発の中で多くが撤去され、現在残っているものは“Green Thumb”という市の公認を受けたもののみですが、ニューヨークのコミュニティ運動の歴史の一端に触れることができます。また庭の中には、花や植物だけでなく、小さな池や小屋やベンチ、またプエルトリカン系のオブジェや祭壇のようなものまであり、それぞれの造園はなかなかみごたえがあります。

現在の治安について


アルファベット・シティはかつて、マンハッタンの中でもとくにドラックや犯罪の多い、治安の悪いエリアとして有名でした。しかし90年代以降に始まったジェントリフィケーションによって、おしゃれなレストランやバー、高級マンションなどが立ち並ぶようになり、かつての危険なイメージは一掃されつつあります。ただニューヨークのどのエリアにも言えることですが、夜中の一人歩きや人気のない路地などは避けることをおすすめします。


イースト・ヴィレッジの中でも、ディープな魅力が満載のアルファベット・シティ。多様な移民たちが集まる街並みと、公園と庭園の豊かな緑を楽しみながら、ぜひその魅力を歩いて散策してみてください。以上ニューヨークナビでした。




上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2012-09-12

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